ケーキ屋の彼

「そうですね」


「涼さんも絵を描くんですよね」


「はい」


「いいですね、僕も絵を描いてみたいと時々思うんですよ」


「秋斗さんは、あんなに美味しいお菓子を作れるじゃないですか。」


「はは、ありがとうございます」


涼は、秋斗が柑菜や美鈴から好かれる理由がなんとなく分かる気がした。


話していると一切棘がなく、雰囲気も柔らかくすべてを受け入れてしまいそうな感じ。


しかし、その秋斗は1人しかいない。


どちらかが幸せを掴めば、もう一方が苦しむことになる。


もしかしたら、どちらも幸せを掴めないなんて言う展開さえ出てきてしまうかもしれない。


涼は、秋斗の横顔を見て『モテる人も楽そうじゃないな』と思うのであった。
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