夢を追え!!

その後も男子有利の試合展開が進む。

雪兎に複数がつけば、その隙を突かれてパスが通る。だからといって雪兎へのマークを緩めれば雪兎の独壇場が起こる。

どうすればいいのか分からない展開が続くせいで、女子の動きに乱れが多い。その乱れが隙を呼び、焦りを生む。

負の連鎖が起こっている女子の連携を崩すのは、雪兎でなくても容易い。

点差はみるみる縮まり、ついに逆転。そして試合終了。盛り上がる男子に対して女子は意気消沈していた。

「雪兎!スゲーよ!!」

「っはぁはぁ……あ、あぁ」

「荻原、大丈夫か?」

元気が有り余っている様子の他の選手に比べて、雪兎は明らかに消耗している。

無理もないだろう。マークが終始外れることはなく、常に指示を出していたのだ。
< 110 / 383 >

この作品をシェア

pagetop