夢を追え!!
その後も男子有利の試合展開が進む。
雪兎に複数がつけば、その隙を突かれてパスが通る。だからといって雪兎へのマークを緩めれば雪兎の独壇場が起こる。
どうすればいいのか分からない展開が続くせいで、女子の動きに乱れが多い。その乱れが隙を呼び、焦りを生む。
負の連鎖が起こっている女子の連携を崩すのは、雪兎でなくても容易い。
点差はみるみる縮まり、ついに逆転。そして試合終了。盛り上がる男子に対して女子は意気消沈していた。
「雪兎!スゲーよ!!」
「っはぁはぁ……あ、あぁ」
「荻原、大丈夫か?」
元気が有り余っている様子の他の選手に比べて、雪兎は明らかに消耗している。
無理もないだろう。マークが終始外れることはなく、常に指示を出していたのだ。