夢を追え!!
「…大丈夫です。これくらい」
息を吸った雪兎は顔を上げる。
近づいてきた女子のキャプテンに気づくとその表情を険しくさせた。
「荻原さん。…あなた」
「約束通り、男子サッカー部は存続。いいですよね」
言葉を遮った雪兎は、その眼光を緩めようとしない。その気迫に女子のキャプテンはたまらず視線をそらしてうつむく。
「ねぇ、この試合の発案、あなたでしょ。…どう?オレを諦める気になってくれた?」
「っそんなの!諦める気になるわけないでしょ!?どうしてそんなに消極的なの!?あなたの実力があれば、全国なんて夢じゃない!そんな実力があるのに、なんでそれを無駄にしようとするのよ!!」
女子のキャプテンの言葉に全員が黙る。