夢を追え!!
「申し分ねぇ目標だ。入部するぜ、2年の五十嵐 響(いがらし きょう)だ。よろしく、監督さん?」
「荻原 雪兎です。おかえりなさい、五十嵐さん」
差し出された手に手を重ねる。
交わした握手は固くて、五十嵐先輩の本気を感じさせられた。
「じゃあ早速、練習加わってくださいよ。どうせスパイクも持ってるんですよね」
「はぁ?人使いの荒れぇ監督様だな」
「“本気”なんで。選手にはなるべく早く練習を一緒にしてほしいんです」
「そりゃそうか」
五十嵐先輩を伴って階段を下っていくと、いつの間にか練習の足を止めてる。
「…なぁ、集合なんてかけてねぇんだけど?」
ビクッと肩を揺らす面々。でもまぁ、しょうがない。
咳払いをして、隣に立つ五十嵐先輩に視線を向ける。