夢を追え!!

五十嵐先輩が着替えてくる頃には、気持ちを落ち着かせて来ていた。

練習に混じる五十嵐先輩は楽しそうで、彰矢と塩岡とよく気が合いそうだ。

「五十嵐さん!パスしましょうよ、パス!」

「俺ともシュート練習付き合ってください!!」

「おぉ、いいぜ。あぁ、あと俺のことは響先輩って呼べ!」

「「響先輩!!」」

「おぅ!」

うん、いい雰囲気。

…とはいえ、まだ1人。五十嵐先輩はあからさまだったにせよ、そんな素振りのある生徒は今のところゼロ。

見に来てる人もいないし、声をかけにくる人もいない。

勧誘が遅かったのか。見落としてる?

自惚れでも、悪い意味でも、ある程度有名人のつもりだったんだけどなぁ。

…部員集めから難航するのは不覚だった。

思わずため息をついて空をあおいだ。
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