【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜
そう、覚悟を決めて…私は彼の腕の中、一つ溜め息を吐く。
それを聞いた彼が、怪訝そうな顔をして私の方を見た。
「忍…?」
「要人さん…ねぇ…約束、してくれますか?」
「……なにを?」
「もう、私を不安にさせないで?全て上書きして、私を貴方で埋め尽くして…?」
「…忍…」
「お願い…」
それだけ言うと、私は裸の胸にすり寄った。
彼はそんな私を一瞬だけ無言で抱き締めてから、ほんの少し体をずらして、目線を合わせてくる。
「もう、煽るなよ。これでもかなり堪えてるんだ。これ以上可愛いことを言われたら、おかしくなりそうだ」
こつん
額と額をくっ付けられ、私は彼に囁かれた。
懇願にも似た、言葉を…。