セカンド・ラブをあなたと
翔さんと病室に向かう。

「望!」

望は公園の大型遊具から足を滑らせて右足を骨折していた。
ギプスが珍しいからか、すごいドヤ顔で力が抜けた。

「見て、お母さん。すごいでしょう!」

私の後ろを入ってきた翔さんに気づいて驚いている。
「河野先生だ!うわ!なんで!?」
「久しぶり、望くん。思ったより元気そうだ」
「見て、かっこいいでしょ!」

興奮して話す望を見て安心感がこみあげてきた。
「望」
枕元に立って少し無理な体勢でギュッとする。

「もう!心配したよ…痛くないの?」
「今は痛くない。落ちた時はすっごい痛かった」
「つらかったね。でも気を付けてよ」
「だいじょうぶだよ。お母さん、もうやめてよ、はずかしいよ」
「わかった、ごめん」


そこへ千絵さんが到着して、望に抱きつく。それから翔さんに気づいて、ちょっとびっくりした。
「お久しぶりです。わざわざ来ていただいたんですか?親子でお世話になって…」
「ちょうど帰るときに行き合わせたので…」
翔さんは丁寧に頭を下げた。千絵さんと目線で会話する内容が聞こえてきそう。
今日は金曜だし、千絵さんにはわかったはず…。
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