セカンド・ラブをあなたと
望と千絵さんの話などをしてるうちに翔さんの家に着いた。
手をつないで部屋まで連れて行ってくれた。

「お邪魔します」
「どうぞ」

ワンルームマンションなので、すぐ見わたせる。
「きれいにしてるね」
「片したんだって」

翔さんは照れたように笑う。私はうまく笑い返せない。

「緊張してる?」
「少し」
「鈴音ちゃん」

立ったまま抱きしめられた。

「望くんたちの入院中に不謹慎だけど、うれしい」
「いろいろごめんね」
「謝らなくていいよ。想定内だから」

やっぱりこの人が好きだと思う。
迷いも悩みもスーッと消えて、今この瞬間、これは正しいって思えた。

顔を上げて背伸びをした。私からキスをする。
この人が好き。大好き。一緒にいたい。
キスが深くなる。
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