君を愛していいのは俺だけ

 翌日、美歩をつかまえて、ランチをすることになった。
 どうしても長崎であったことを顔を見て話したかったのだ。メッセージでもよかったけど、文字で伝えきれない気もしたから、都合をつけてもらった。


「それで、どうだったの?」
「うん……それがね」

 話し出そうとしたら、カフェモカとソイラテが運ばれてきて仕切り直す。


「写真撮れた?」
「撮れなかったし、連絡先の交換もできてないんだけど」
「収穫ゼロじゃん、それ。なにしてきたのよ」
「出張だもん。真面目に仕事してきたの」

 美歩みたいに積極的になれたらいいなと思うけど、元カノ兼社員の立場だとどうしても踏みとどまってしまう。
 だけど、なにもしないでいたら、他の誰かに取られてしまうかもしれないっていうのも分かってて。
 昨日だって、彼に連絡したかったのに……すごくじれったかった。

 今の陽太くんにとって、今の私は一体どういう存在なのかが分かれば、少しは行動がとれる気もするけれど……。


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