君を愛していいのは俺だけ
――十一月。
長崎出張に行ってからというもの、陽太くんとふたりで話す機会がなくて、日々仕事に追われてばかりだ。
彼がMDのフロアに来ることがあっても、用を済ませるとすぐに出て行ってしまうし、私が話しかけようものなら、周防会の先輩方の視線が厳しくなるだけと分かっているから、なにもできなかった。
でも、せっかく美歩に背中を押してもらったのだからと、メールくらいは送ってみることにした。
【お疲れ様です。ご多忙中と存じておりますが、いつでもいいので話せる時間はありますか?】
送信して五分も経たずに、新着メールに彼からの返事が届いた。
【お疲れ様。連絡をくれたのに悪いんだけど、しばらく予定が詰まっているから難しいっぽいんだ。時間が空いた時は、声をかけさせてもらうね。仕事、頑張れよ】
彼が多忙なのは分かっていたけれど、いつになったら話せるのかと思うと、しゅんとしてしまった。
でも、以前よりもフランクな言葉遣いに、ちょっと嬉しくもなれた。