君を愛していいのは俺だけ

「さっきのプレゼンの件も含めて、これから打ち合わせの機会を増やすから、予定を組んでもらえる?」
「かしこまりました」
「滝澤さんも、都合がつく時はぜひ同席してくださいね」
「ありがとうございます」

 新人にも分け隔てなく接する彼は、にっこりと微笑んでから席を立った。


 私の気持ちを知っている滝澤さんは冷やかすような視線を向けてくる。
 だけど、彼が思っている通りだ。

 本音を言うともっと話したかった。
 ドキドキして仕方ないけれど、ずっと隣にいてほしかった。


 仕事のことでもなんでもいいから、陽太くんと話したい。
 空白の時間を埋めるように、他愛ないことでもいいから。


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