君を愛していいのは俺だけ
「仁香が嫌だって言うなら、そういうことはしないよ」
「っ……」
彼の言動に強い意志を感じて、早くもにわかに後悔をする。
陽太くんに愛されたい。
でも、そんなことを口にできるはずもなくて。
「嫌じゃない、です……」
食事を頬張って、それ以上は言い淀む。
陽太くんはお酒が進んでいるようで、一合の地酒を空けてしまった。
「今夜はたくさんかわいがってあげるからね、奥さん」
「っ!!」
私の鼓動を簡単に跳ねさせた彼は、意地悪に微笑んだ。
――翌朝。
ふと目覚めて、そっとベッドを下りた。
激しく愛された身体が、少し重い。
昨夜の彼はいつになく妖艶で、記憶に刷り込まれたその表情を思い出すだけで頬が熱くなる。
あの時間が夢か現か、確かめる術は自分の身体。
浴衣の胸元に散らばっている赤い印を見て、まだ眠っている彼の腕にもう一度包まれた。
― fin ―


