君を愛していいのは俺だけ

「桃子ちゃんは?」
「二次会に行ってるよ」
「あんなに酔ってたのに……」

 私よりもたくさん飲んで、酔った勢いで周防社長に絡んだりしてたはず。
 それでも二次会に行けるなんて、彼女は隠れ酒豪だったのかなぁ。


「桃子ちゃんは、ある意味ザルだよ。一定のところで酔いをキープできるんじゃないかな」
「……なるほど」
「秋吉さんは、飲んだら飲んだだけ酔うタイプだってこと、自覚しておいてね」
「はい、すみません」

 自宅の前に着き、滝澤さんにもう一度謝った。


「それじゃ、また月曜に」
「ありがとうございました」

 滝澤さんの自宅がどこなのかはわからないけれど、面倒をかけてしまった。
 緊張と嫉妬めいた気持ちと混乱に任せて、お酒に流されたところでいいことなんてない。


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