過保護なドクターととろ甘同居


「 こんな私で……本当にいいですか?」


私を見下ろす先生は、何故だかフッと気が抜けたように笑う。

そして、黙って額へと口付けた。


「沙綾も、お腹の子も……必ず幸せにする」


最高に幸福な約束と共に、優しいキスが落とされる。

離れた唇の隙間から「愛してる」と先生は甘く囁いた。


これからやってくる未来の自分を想像してみる。

初めての妊娠と出産は、不安なこともたくさんあるのだろう。

だけど、お腹の中にいる二人の子は、私が産み、先生が取り上げてくれる。

その光景を描いてみるだけで、自然と笑顔がこぼれ落ちた。


先生と、私たちの元にきてくれたお腹の子を、私も幸せにしたい。


先生と同じ気持ちであることを伝えるように、回した腕にギュッと力を込めた。




* Fin *



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