過保護なドクターととろ甘同居


部屋の扉が外側からノックされる。

返事をしてドアを開けると、そこには白衣姿の先生が立っていた。

その手には、ハンガーに掛けられたピンク色のナース服がある。


「落ち着いたか」

「あ、はい。ありがとうございます」


今日は外来はお休みの日曜日。

診療がお休みの日曜日が先生にも迷惑が掛からないだろうと思って業者にも手配したけれど、産科医の先生には基本お休みなんてない。

お産が突然あったり、前日に出産やオペがあれば、外来の診察がなくても入院患者さんを診なくてはならない。

一応考えて気を使ったつもりだったけど、あまり意味のないことだったのかもしれないと思った。

この病院での先生の仕事は、私が思っている以上に多忙なようだ。


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