過保護なドクターととろ甘同居
朝を迎えて再び顔を合わせると、先生は普段通りの様子で「よく眠れたか」といつもの微笑を浮かべていた。
付き合ってと言われた先生のたまの休息は、結局私に付き合わせてしまったような申し訳ない時間になってしまった。
酔っ払って泣きそうになって、挙げ句の果てには眠って部屋まで運ばせてしまったのだ。
最悪なことこの上ない。
でも……。
『忘れたいなら手伝ってやる』
そう言った先生の真意は今もまだわからない。
慰めではないと、あのとき言っていた。
じゃあどうして、何のためにそんなことを言ってくれたのか。
あんなことまでして、私のために……。
その言葉通り、引きずっていたショックはほとんど私の中から消えてしまった。
先生とのことが強烈すぎて、はるかにそれを上回ってしまった感じだ。
「今田さん、どうぞお入りくださーい」
診療室の入り口が開き、中から木之本さんが待っている患者さんを中に通す。
そばにいた先生も再び診療室へと戻っていった。