過保護なドクターととろ甘同居


冷蔵庫の中身をチェックしながら、ふと、先生の言葉が蘇る。


人を会うって言ってたけど……。

そこまで考えて、浮かんだのは滝瀬さんのことだった。

もしかしたら、今から滝瀬さんと会うのかもしれない。

“女の勘”というやつが働いているのか、考えれば考えるほど、先生が今から会うのが滝瀬さんのような気がしてならない。

それは次第に確信に似たものでいっぱいになってくる。


何だか無性に落ち着かない気分になって、気付けば冷蔵庫を閉め、急いで自分の部屋へと戻っていた。

そして、コートを羽織り、ストールをぐるぐると巻く。

夏に買って持っていたデカサングラスを手に、部屋を飛び出していた。

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