サクラサク


あれやこれや考えてると、あっという間に時間がすぎてしまった。

もう、お昼だ。



私達はいつものように4人でご飯をたべる。



楽しそうにみんなが話してるのを私は聞きながら、黙々とご飯を食べていた。


さっきからずっと頭の中がぐるぐるしてる。



美穂の頑張れって何が?



それに大輝の事もきになる。


大輝はどこの高校に行きたいんだろ?



……私はできれば高校も同じがいいな。



「里奈、お前なんか悩んでんのか?」


へっ?



急に名前を呼ばれ、私は驚いた。


声の主である大輝がこっちを不思議そうな顔でみてる。



「あ、進路だよ!どーしよっかなって思ってさ」



「なんだ、そんなことかよ」



大輝はそう言って、卵焼きを口に運ぶ。


そんなことってねぇ……。



進路は凄く大事じゃない。



「そういや大輝!お前はもう決まってんだっけか?」


おっ、悟史ナイス!



さっき聞けなかったから、是非聞きたい!



「ああ」



短く答える大輝。


で、どこの高校なのかな?


やっぱり自分から聞くか……。


「俺、受験頑張るって決めたんだ。智也さんがいる高校に行きたいから」


智也さん、か。



智也さんって人は私達の2個上の先輩。


大輝と仲がすっごくいい。


だから、私もよく相手してもらってたな。


「智也さん、いつも高校のこと、楽しそうに話すんだぜ。それにあの高校には思入れがあるんだよ」


大輝は嬉々として語った。



「……智也さんって、確か松瀬高校だった っけ?」



私がそう聞くと、


「ああ!里奈も行ったことがあるだろ?」


と大輝が言った。



「うん!楽しかったねー!あの高校、確かに良いかも!」



私は前に、大輝と2人で松瀬高校に行ったことがある。


確か、智也さんに誘われたんだ。


あの時、すごく楽しかったし、めちゃくちゃ遊んだな。


『俺、やっぱり松瀬高校に行きたい!』



大輝はそう言って目を輝かせていたっけ。


懐かしいなあ〜。



なんて、ぼーっと思い出にしたっていた私。


「なんなら、一緒に松瀬高校受験するか?」


え?今なんと?


一瞬だけ反応に遅れた。


「い、いいの?」



驚きのあまりに目をパチパチさせる。


まさか、誘われるなんて。



「?いいに決まってんだろ?まぁ、行くとこないんならって話な」


なんか、すっごく嬉しい。


胸がジーンと熱くなる。


「行く行く!私も松瀬高校に行きたい!」


興奮のあまりに私の声は凄く大きくなった。


すると、大輝が一瞬だけ驚いた顔をしたが、その後すぐに私に笑顔が向けられた。


「じゃ、一緒に頑張ろーぜ!」


「うん!」


嬉しいよ!


私はこの時、凄く嬉しくて、ぴょんぴょんと跳びはねたい衝動に駆られた。








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