浅葱色の鬼

歳三

かっちゃんと総司が大阪へ行く朝



目覚めると紅音は、すでにおらず


「寒っ」


震えながら着物を着て朝餉に行くと


紅音は、普通に働いていた



もっと、驚いて俺を起こすかと思ったのに



いたずらに脱がしてみたが、反応の薄さに
こっちが恥ずかしいじゃねぇか…




朝餉が終わると2人につきっきり
まだ、治療を諦めてねえのか?




支度を整えた2人と縁側で座っていた




「私もついていこうかな…」




やっぱり…




「そんなに心配かい?」


「いや… さみしい」


「俺と離れても平気なのか!?」


少しムキになって言うと


「だって…
寝込んでたら、文も書けないだろ
心配だ」



声色から、心底さみしそうだ



「ありがとう
君のおかげで、こちらは心配なく休める」


「紅音さん!
新選組をよろしくお願いしますね!」



「はあ~わかった」



渋々と返事をする紅音の頭に手を置く

見送りに集まった幹部達には、知らせてあった
近藤さん達がいるうちに、紅音に
俺の気持ちを伝えたかった



「紅音に、話さなければいけないことがある

俺は、全ての記憶がある
俺が…生まれ変わる前、紅音と出会う前
この仲間と、命を殲滅し始めてからの全て」



紅音は、ガバッと俺に向き視線を潤ませた


「正直、紅音が覚えてなければいいなとか
このまま覚えてなりふりをするって、ズルイ考えもあった
でも、俺や皆の為に紅音が犠牲になるのは
やっぱり違うと気づいた
俺は、ずっと後悔していた
捉えられた紅音を早くに助けてやれば…
あの時、紅音が可哀想だと泣いた平助と
知恵を貸してくれた山南さんがいて
責任をとると背中を押してくれた近藤さんと総司がいて、危険な見張り役をしてくれた永倉と原田がいて、俺を手伝ってくれた斎藤が…
今でも…仲間で…
なのに… 俺は、紅音から…」



「昔の事は、どうでもいい」



紅音は、微笑んだ



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