同居相手はまさかの!?
第16話勇気
【茉莉side】

そしてあたし達は朝食を済ました。


「…ごちそうさまでした。」


「…もう大丈夫か?」


「うん、ありがとう…。」


藤堂君はあの後、ずっと頭をポンポンしてくれた。


何も言わず…ずっと。


その時あたしは…思わずドキッとした。


弱っていた時に、優しくされたらそりゃ…


ちょっとはときめくよ…。


藤堂君はズルい…。


何も言わなくてもあたしの事分かってる。


彼はいつだって一枚上手。


敵わない…。


「…どうした?」


振り向いたその瞬間


あたしは思わずドキッとした。


(何今の…!) 


ただの部屋着姿なのに、それだけでキュンと来る。


(おかしいあたし…!相手は悪魔なのに…!)


「…何?」


「な、なんでもない!」


ここに来てから完全に藤堂君のペースに惑わされてる…。


「あ…そういや材料あんまねえな…」


藤堂君が冷蔵庫を開けて、口を開いた。


(嘘…!)


「…買いに行くか。」



「…ま、待って!」


あたしは、思わず口を開いた。

< 140 / 504 >

この作品をシェア

pagetop