同居相手はまさかの!?
第22話スパイ
【茉莉side】


あたしは、藤堂君から唇を離した。



しばらくの沈黙の後、あたしは藤堂の目を見た。



「…好き。藤堂君が」


…そう告げて


だけど…


「…ごめん。」


藤堂君から告げられた言葉はあたしが考えていた言葉とは違った。


「…茉莉の事、そんなふうに見れない。」


そう言って下を向いた。


「…ごめん。」


同じ言葉を吐いて、そしてバルコニーから出て行った。


パタン


「…っつ」


あたしは、声を押し殺すように泣いた。


振られたんだ…あたし…。


振られる前までは、正直


…振られるなんて事、予想出来なかった。


ここ数日間、あたし達は仲良くなれたと思ってた。


どんなに冷たくされたって、藤堂君はあたしを助けてくれる。


だから…



あたしは今までずっと藤堂君の優しさに甘えていた。



藤堂君もあたしを…



なんてそんな甘い考えでいた。 


だけど…。


全然違ってたんだ…。








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