同居相手はまさかの!?
【友也side】

俺は茉莉にキスをされた。

最初はビックリした。

だけど…。

♪〜♪〜♪

スマホの着メロが俺を現実に戻す。


そして茉莉の唇が離れた。


「…好き。藤堂君が」


…嬉しかった。



でも…。 


《友也》


今の俺は茉莉の事が好きだけど…。


でも…。


任務の為に近づいてる…。


だから…。


「…ごめん。」



そして俺は茉莉を振った。


「…茉莉の事、そんなふうに見れない。」



そう言って下を向いた。



「…ごめん。」 



そして俺はバルコニーを出て行った。



バルコニーを出た後、頭を抱えていた。


俺は茉莉に最低な事をした。


…こうなるって分かってたのに…。


だから…


今までずっと壁を作っていたのに…。


違う…。



困っている茉莉をほっとけなくて…

俺は、


自分から茉莉に壁を壊すように仕掛けてたんだ…。


ガン


「…クソ」


その時俺のスマホが鳴った


♪〜♪〜♪


『…はい。』


『さっきも電話したのに、お前一体何してる?』


(…うるせーな)


『…社長、申し訳ございません。』


『お前、いつになったら小野田茉莉を落とせるんだ?』


『…申し訳ございません。』


『小野田友莉についての情報は?』


完全に忘れていた。


『まだ…』


『お前、小野田友莉が憎いんじゃないのか?
その為に、私の所に来たんじゃないのか?』


チクチク針を刺されるみたいに痛い。


『はい…。分かっております。』


『もう良い。お前の会社に2名スパイを送った。』


(…は?)


『これからはそいつらと協力して小野田茉莉を落とせ。』



『社長…!』


『良いか?お前の目的は小野田茉莉を落として
小野田友莉の情報を聞き出すこと。
さっさと、小野田茉莉に部屋の鍵を返さす事。
それが指名だ。
分かってるな』


『…はい』


『ではまた連絡する』


ツーツー


電話が切れた。


…叔父さんに言われる言葉がチクチクと針を刺されるみたいに痛い。 


そう、俺の真の目的は


小野田友莉を小野田茉莉と同じ目に合わせる事。


俺の母さんを殺した小野田友莉と同じ目に…。


それなのに、この時の俺は茉莉の悲しいあの目が忘れられなかった…。


「…ごめんな…。茉莉…」
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