同居相手はまさかの!?
「この出来損ないが。それが友也の親父の口癖だった。」

「ひどい…。」


「それからは説教だ。
だから、メシを食ってても友也は美味しいと感じた事ないんだ。」


「………」



「そして、友也が中学生、和也が高校生になってから家庭環境はグチャグチャになった。」


「何で…?」


「和也は、高校生になってから家に帰らなくなったんだ。
…元々プレッシャーがあったんだろう。
志望だった桜ヶ丘高校を落ちたんだ。」



「桜ヶ丘高校って…あの!?」




桜ヶ丘高校は、この都内では名門の進学校だ。



「…受験に落ちてから、和也変わったんだ。
家に帰って来なくなって
そして、大学生になってからは完全に家を出た。」


「……」


あたしは黙って聞いていた。


「だから、残された友也はひたすら父親に認めて貰うために勉強、スポーツとにかく頑張った。
だけど…和也を越せる事はなかった。」


「………」


「…そして志望だった彰院高校に落ち、あんたと同じ聖翔高校に行くことになった。
その頃から…友也の親父は家に帰らなくなった。」


「……」


藤堂君にそんな幼少期があったなんて…。


なのにあたしは藤堂君を助けられなかった。


「…友也料理上手だろ?」


「ああ…。うん…。」


「友也さ、ずっと料理人になりたかったんだよ。
友也の母親がさ、ハンバーグ作るの上手でさ。
友也は時々母親の手伝いをしてた。」


(…だから料理上手なんだ……。あたし…失礼な事聞いちゃったな…。)


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