わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

「先生、ありがとうございます。……実は、もうひとつあるんです」

「ええ、わかっていますよ。だから今日、僕の所に来たんでしょ」

先生は何もかもお見通しだと言うような顔付きだった。

姫はまた目を閉じた。
「じゃあ、先生、続きをお願いします」


【episode5 整体(2)に続く】


< 23 / 82 >

この作品をシェア

pagetop