わたしがまだ姫と呼ばれていたころ
episode3 アゴクイ
                             
その昔、わたしがまだ姫と呼ばれていたころの話。

「アゴクイ」なんて言葉も、まだなかったころのこと。
でも、確かにそんなポーズを少女コミックか何かで見たような気もする。

別に憧れていたわけでも、おねだりしたわけでもなかったけれど、
一度だけ、アゴクイの経験がある。

相手の男は、つきあっていた男の友達。
旅行のお土産を渡したいから、というので仕事終わりに待ち合わせた。
ちょっと飲みたい気分でもあったので、その男のよく行くというレストランバーに行った。


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