わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

「ふたりと、つきあうって言うのは、ダメ?」

「別に、ダメじゃないよ」

「良かった~。きっと姫ならそう言ってくれると思った」

「じゃ、問題解決ね。タロットに訊くまでもなかったね」

「ううん。タロットやって~」

「だって、もう答えは出てるじゃん」

「どっちと相性がいいか、とか観てもらえる?」

「いいよ」

「ありがと」

姫はテーブルの上に広げられた濃い紫色のクロスの上に、真剣な表情でタロットカードを裏向きにひとまとめにして置いた。
姫は主に二十二枚の大アルカナカードだけで占う。


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