不機嫌なジェミニ
今週は『金とパール』のデザイン画だ。
私は黙々と、デザインを考えたり、頼まれた資料をコピーしたり、コーヒーをみんなに淹れたりしている。
ジンさんと蘭子さんは、半日くらい会議や打ち合わせで部屋にいなくて、
昼に戻れたら、みんなを誘って『マッキンレー』でご飯を奢ってくれ、(セイジさんによると週1.2度そんな具合らしい。)ジンさんは私のお昼のお弁当を夜に食べている。
翌日キチンとお弁当箱を洗い、美味かったと毎回褒めて、ポンと頭を撫でてくれるようになっている。
私はちょっと恥ずかしいけれど、ジンさんは気にしていないようで、
頭を撫でた後は、何もなかったように、顔を赤くする私を全く気にせず仕事に戻って行った。
今週はジンさんに迷惑をかけないように週末は休まなきゃと真面目にデザインに取り組んでいたら、
外出していたジンさんが戻ってきて、
「トウコ、『ハトこ』と交換して。」と大きめの金色のピンバッジを私に見せる。
犬。
ふわふわのおかっぱから三角の可愛い耳がのぞいている犬が
くるりと大きな瞳で私に笑いかけている。
「か、可愛いー。」と私は思わず、手にとってじっと見る。
バッジの左下に『J』の文字。
ジンさんの作品には『J』の文字が左下のデザインの中に隠れている。
これは普通に頭文字が打ってあるけど…
「じっ、ジンさん、わざわざ作ったんですか?」
「おうよ。『アクエリアス』に行った時、作ってきた。」と自慢げだ。
どれどれとセイジさんと、蘭子さんもピンバッジを覗き込む。
「…これってトウコちゃんでしょ。」とセイジさんがピンバッジを撫で、
さすがジンさんのデザインだね。無駄な線がなくてすごくおしゃれで可愛い。と呟いている。
「おにいちゃんって本当にトウコちゃんが好きだよね。」
と蘭子さんはため息まじりに自分の仕事に戻っていく。
いや、ちっともそういうんじゃないけど…
ジンさんが好きなのは『ハトこ』だし…
私は黙々と、デザインを考えたり、頼まれた資料をコピーしたり、コーヒーをみんなに淹れたりしている。
ジンさんと蘭子さんは、半日くらい会議や打ち合わせで部屋にいなくて、
昼に戻れたら、みんなを誘って『マッキンレー』でご飯を奢ってくれ、(セイジさんによると週1.2度そんな具合らしい。)ジンさんは私のお昼のお弁当を夜に食べている。
翌日キチンとお弁当箱を洗い、美味かったと毎回褒めて、ポンと頭を撫でてくれるようになっている。
私はちょっと恥ずかしいけれど、ジンさんは気にしていないようで、
頭を撫でた後は、何もなかったように、顔を赤くする私を全く気にせず仕事に戻って行った。
今週はジンさんに迷惑をかけないように週末は休まなきゃと真面目にデザインに取り組んでいたら、
外出していたジンさんが戻ってきて、
「トウコ、『ハトこ』と交換して。」と大きめの金色のピンバッジを私に見せる。
犬。
ふわふわのおかっぱから三角の可愛い耳がのぞいている犬が
くるりと大きな瞳で私に笑いかけている。
「か、可愛いー。」と私は思わず、手にとってじっと見る。
バッジの左下に『J』の文字。
ジンさんの作品には『J』の文字が左下のデザインの中に隠れている。
これは普通に頭文字が打ってあるけど…
「じっ、ジンさん、わざわざ作ったんですか?」
「おうよ。『アクエリアス』に行った時、作ってきた。」と自慢げだ。
どれどれとセイジさんと、蘭子さんもピンバッジを覗き込む。
「…これってトウコちゃんでしょ。」とセイジさんがピンバッジを撫で、
さすがジンさんのデザインだね。無駄な線がなくてすごくおしゃれで可愛い。と呟いている。
「おにいちゃんって本当にトウコちゃんが好きだよね。」
と蘭子さんはため息まじりに自分の仕事に戻っていく。
いや、ちっともそういうんじゃないけど…
ジンさんが好きなのは『ハトこ』だし…