不機嫌なジェミニ
小料理屋は月曜日で空いている。

店に『マッキンレー』のマスター夫婦がいた。
自分の店は早仕舞いにしたらしい。

「一緒にどお？」とジンさんが2人に声をかけて

「今日は賑やかね。」ヒトミさんが微笑み、奥の座敷に合流した。

ジンさんはここでマスターとよく飲むんだ。と私に笑いかけ、
マスターとヒトミさんの横に私を座らせ、自分も隣に座る。

「会社の目の前にある『マッキンレー』のマスターご夫妻。うちの胃袋担当。
今日昼に出た弁当は瞳さんの手作りだよ」とジンさんが紹介し、

「すごく美味しかったです！ヒトミさん、ごちそうさまでした！」と私が言うと、

新入社員が口々に「美味しかったです。」とヒトミさんに挨拶をした。

「ありがとう。美味しいって言われると、すごく嬉しい」とヒトミさんは頬を染めて笑う。

「また、瞳ちゃんのお陰でお得意さんが増えそうだ」とマスターがヒトミさんの頭をポンポンと撫で、2人で顔を見合わせて微笑み合う。

あいかわらず、仲の良いご夫婦だ。

みんなでビールで乾杯し、
オススメのおつまみや、
お腹が空いている人達は唐揚げや、和風な肉じゃがのコロッケや、お腹にたまるものを頼んでいる。




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