昼下がりの情事(よしなしごと)

「……美咲は……元気にしてるのかな?」

志郎はミルクピッチャーの方へ手を伸ばした。

すると、すかさず、魚住が細くて長い指で、流れるようにこちらへ滑らせる。

なんだか「クールな彼が、私だけに見せてくれた何気ないやさしさ」って感じ。

もし自分が女の子なら「きゅん!」ってなりそうだ。

……きっと、こんな何気無い一挙手一投足で、女の子を簡単に堕とすんだろうなぁ。


いや、ただミルクピッチャーをこちらへくれただけなんですけどね。

< 21 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop