*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
先輩は、私の言葉に再びあからさまな溜め息を付いてきた。


「迷惑だったら初めから来ないし俺そんなお人好しじゃない。誰に誤解されようが構わない。……俺、美愛ちゃんだから来たんだ。他の社員なら来やしない」


ほんとなら凄く嬉しいけどわからない…… どう受け止めていいのか。

先輩が、私をどう見てるのかで意味は全く違ってくる。

単純に女としてなのか後輩…… 後輩 ……だよね?

こんな誤解したくなるようなことサラッと言ってのけるから無自覚の女たらしって言われるんだ。

……ふと昨夜の二人の背中が浮かぶ。

相葉先輩だって同じ状況ならきっと傍にいてくれる。

姉御なら誤解したりしない。

当然、課長だって知ってるはず。

私は、暗い部屋にいるというのに昨夜の二人の姿を完全に打ち消したくて、ギュッと目を瞑ってみせた。

でもその直後またすぐに目を開く。

なぜならベッドサイドのライトが灯されたから。

そして部屋と先輩を淡く照らし出すのをぼんやりと見つめる。
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