*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
長い階段を上がろうとすると、ポーターの人がエレベーターに案内してくれるが、運動不足の私は荷物だけお願いしてゆっくりと上を目指す。

するとポーターの人も一緒に上がり出した。

申し訳なくて謝りを入れると、気持ちのいい笑顔で気遣いある応対をしてくれた。

さすが五ツ星。

お言葉に甘えゆっくり上がりきった時、ふと思う。

確か副社長も私と同じ頃到着って聞いた。

今日中に挨拶しとくべき?

とりあえずフロントで確認を取ると、副社長はまだのよう。

……どうしよう?

ニューヨークから長旅でお疲れの副社長より先にチェックインしていいもの?

ロビーでお迎えすべき?

正直わからない。

それ以前に私、副社長の顔知らない。

私が、入社した時には既に海外勤務で、たまに帰国されてサロンにお見えになってても、いつも多忙な時ばかりで一度もお会いしたことがない。

私は、フロントに副社長がチェックインしたら、すぐ連絡を入れてもらうよう頼む。

でも不審な顔をされ怯みそうになるが、負けじと名刺を差し出し部下であることを伝えると、確認を取ってから連絡すると約束してくれた。
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