ある夜のできごと

洸side

あいつ、出ていきやがった。

俺のなにが、不満なのか。
自分でいうのもどうかと思うが、よくやっているほうだと思う。
もともと子供は好きだし、独り暮らしもしていたから家事もできる。
子供が産まれてから睡眠不足でつらそうな和香を少しでも休ませてやりたいと思って、土日はできるだけ子供の相手も家事もひきうけてる。

原因はほんとにささいなことだった。
疲れもあって、言われたことが気にくわなかった。
「お前だってできてないだろ」
言い返した瞬間、和香が傷ついた顔をした。
いつもなら、言い返してくるそんな場面で。

追いかけるか。でも、結愛おいてはいけないよな。

「あー、くそっ。」
余計な心配かけさせるなよ、和香っ。

どこにいる?
いつ、帰ってくる?

待つこと40分。

ポーン

スマホが鳴る。俺はすぐさま確認した。
奈々ちゃんから。
『和香と、いつものとこで飲んでます。和香は飲んでないけど。和香のことだから連絡してないと思って。今日中には帰るつもりあるみたいです。』

奈々ちゃんと、一緒か。少し安心した。
奈々ちゃんに連絡したってことは、俺のことさんざん愚痴ってくるんだろうな。
苦笑いがこぼれる。

居場所もわかったし、俺もふて寝するかな。
『和香をお願いします』
そう返信して寝室へ。

そーいや最近和香に触れてないな……
最後に抱いたのは1年以上前か……


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