ライアーピース





今日も講義を終えて、
サークルに顔を出す。


歩夢のおかげで
女の子らしくはなっているけれど、
やっぱり好きなものは好きなんだよね。


身体を動かすのが好きな私は
スポーツサークルに入った。


毎週水曜日。
活動はその日の気分でスポーツをして
遊ぶような、
和気あいあいとしたサークル。


先輩たちには可愛がられ、
同期には憧れられていた。


同じ大学内の医学部にいる中島とは
何度も大学内ですれ違う。


中島は由紀乃と付き合って3年。


由紀乃のおかげでだいぶ
爽やかな男になったような気がする。


人当たりもいいし、
賢い中島はいつも大学内でモテていた。


だけどやっぱり中島は由紀乃一筋。


そりゃああんだけ可愛い彼女がいたら、
他なんて目移りもしないだろうなぁ。


歩夢も意外と、モテる。


いや、普通にイケメンの部類に
入るとは思っていたから
当たり前のことなんだけど、
会社の同僚に告白されたりしているらしい。


私はこれと言って嫉妬なんかはしない。


歩夢が私のことを想ってくれていることを
理解しているから。


だから歩夢も、
告白されたことはきちんと言ってくれるし、
プレゼント類は受け取らないようにしてくれている。


本当によく出来た彼氏だよ。


私には勿体ないくらい。


どうして歩夢は
私を好きになってくれたんだろう。


歩夢に会っていなかったら
私はどうなっていたのかな。


今もずっと、苦しんだままだったのかな。



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