私にとって初めての恋。

美陽は悠琉に気づかず、ため息をつく。
ずっと窓の外を眺めていると、

「美陽…」

悠琉が美陽を後ろから抱きしめた。

「悠琉、さん…？」
「うん、俺」

2人はそのまま話す。

「帰らないの？」

悠琉が美陽に聞く。

「私は…」

そう言って美陽は口を閉じる。
悠琉は美陽にしか聞こえない声で言った。

「俺は別に試されてるとかそんなことは思ってもないし、それだけで美陽を嫌いになったりなんかしないよ。」

悠琉の美陽を抱きしめる力が強くなる。

「試したりとかそんなんじゃないんです。私だって悠琉さんが大好きです！」
「じゃあ、今はそれでいいじゃん。その従弟にもちゃんと言葉で伝えなきゃ。俺に出来ることは何でもするから頼って」

美陽は涙を流し、はい、と答えた。

「じゃあ、帰ろうか。家まで送るよ」
「はいっ！」

悠琉は美陽から離れ、美陽に手を差し伸べた。
美陽は悠琉の手を取り、2人は手を繋いで学校を出た。