国王陛下の極上ティータイム


そう言って近くの扉を開けた。金属が擦れるような嫌な音をして開いた部屋は真っ暗だった。


「せ、セレスティーナ姫、何を…」

「貴女にはここにいてもらうわ」


どん、とクラリスは背中を強く押された。

突然のことに反応が遅れたクラリスは倒れる様に真っ暗な部屋に転んでしまう。


「セレスティーナ姫!」


絶望したクラリスをあざ笑うように姫は恐ろしい笑みを浮かべて扉は閉ざされた。

ガチャンと大きな音とともにクラリスは真っ暗な世界に閉じ込められた。


「セレスティーナ姫!」


真っ暗な世界、扉を叩いても周りに人はいない。

クラリスの声さえ、誰にも届かない。




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