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初めての彼氏
レオが付き合いたいと言った事は半分冗談だ。

だからアタシも冗談で答えたつもりだった。

「じゃあ彼女にしてもらおうかな?」

そう言うとレオがアタシに握手を求めて来て
アタシはレオの手を握った。

「バカか?」

そう言って タクミがアタシの手をレオから離す。

「付き合おうなんて軽く言う男は信じるな。」

それを見たハナエが

「タクミくん、冗談だよ。
何怒ってんの?」

と心配そうな顔した。

レオは面白がって

「冗談じゃないって言ったら?」

とタクミを挑発する。

タクミはそれ以上、何も言わなかった。

ハナエに気を使ったのだ。

昼食後、レオはアタシに言った。

「キョウはタクミが好きなの?」

「え?」

「バレバレだよ。」

「嘘?…ハナエも気づいてると思う?」

「多分。

それにしてもあのタクミって男、何なのかな?

キョウのただの幼馴染にしては干渉し過ぎだと思うんだけど…

ハナエちゃんて彼女がいるのに変だよ。」

「タクミとアタシは本当に兄妹みたいだから。
心配なんだよ。」

「キョウに彼氏が出来たらどうなるんだろう?」

そのレオの言葉がアタシにも気になった。

タクミはアタシに彼氏が出来たら
アタシに構わなくなるのかな?

それともアタシと同じ思いをするのだろうか?

嫉妬したり身を焦がしたりするんだろうか?

それはきっと無いだろうけど…少しでもアタシの事心配してくれるだろうか?



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