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その夜帰るとレオが珍しくアタシより先に家に帰っていた。

仕事とはいえ、タクミと逢って来た事が後ろめたくて
アタシはなぜかレオに気を遣って
レオの顔を見て嬉しそうな顔を作って
レオの腰に手を回した。

「どうしたの?

なんか今日は積極的だな?」

レオもきっと気を遣いながら、アタシにキスをする。

「何だか今夜のキョウはそそるな。」

レオはアタシのカラダを持ち上げると
ベッドに連れて行った。

アタシはタクミの事が頭から離れないまま
レオに抱かれる。

そんな自分が嫌で堪らなくて
アタシはレオの悦ぶ声を出した。

レオはその声に応えるように
アタシの世界が真っ白になるまで
アタシのカラダを愛してくれた。

「キョウ…そろそろ子供作ろう。」

レオはそう言ってアタシの中で果てた。

仕事が忙しいと言ってアタシはレオの子供を作る事を避けていたけど…

それももう拒む事が出来なかった。

それでも勝手に行動したレオに少しだけ腹が立って
アタシの笑顔は消えて、無口になった。

レオはその空気を読んで

「嫌だった?」

と聞いた。

「嫌じゃないよ。」

アタシは心とは違う返事をして
レオをまた欺いた。








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