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その夜、レオは宿直で居なかった。

夜中に鳴った電話でアタシは目を覚ました。

「もしもし…」

「キョウ?」

その声で一気に眠気が飛んだ。

「タクミ…?」

タクミの声は沈んでいてアタシは不安になった。

昔からタクミは何か辛い事がある時だけ連絡して来るからだ。

「どうしたの?なんかあった?」

「落ち着いて聞いて。

キョウ、オヤジさんが事故にあった。

大通りで信号無視した車に跳ねられたらしい。

ウチのオヤジと一緒で2人とも病院に搬送されたって…こっちに来れるか?」

アタシはしばらく何も言えなくて
目の前が真っ暗になる感じがした。

それでも気を確かに持って

「わかった。支度してすぐに出る。」

と返事をした。

とりあえず服を着てそのまま車に乗った。

自分も事故を起こさないようにと慎重に運転する事を心がけて何とかたどり着いた。

着いたのはもう朝で
とりあえず実家へ行ってみた。

母が起きていて
アタシの顔を見てビックリしていた。

「どうしたの?こんな朝早く…」

「お父さんは?」

「手術してとりあえず命には別状ないそうよ。

軽い怪我だから連絡しなかったのに…

タクミから聞いたの?」

「た、タクミのお父さんは?」

「うん…実はタクミのお父さんのが深刻なの。」

アタシはタクミに逢いに行こうと思った。

その時、レオから連絡が来た。
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