☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「『愛されている実感が抱けない、自分に自信がない。相馬の幼馴染みは、皆、綺麗で、性格良くて、家柄だって良くて、きっと、私が相馬の横を奪っているせいで泣いている子だって、沢山いる。愛されているかいないかわからない私がここにいるより、政略でも相馬を想ってあげられる人が居ないとダメだよ。私、愛されないと寂しいんだって、最近、気づいた……』……要約すると、こんな感じ」
「あと、勝てる気がしない、とかも言ってたな」
「どれにしろ、相馬が怒るポイントが沢山ある」
氷月と千歳が頷き合うのを見ている限り、何か……
「えっ、じゃあ、記事だけが相馬に火をつけたんじゃないじゃん!沙耶の発言で、火がついたんじゃん!」
今回は、沙耶は弱さから間違った発言ばっかしている気がする。
「まぁな。だから、多分、暫く、離して貰えないだろうな。沙耶」
男の千歳たちに怯える女の子を保護し、紳士的に対応していた千尋は女の子を同じ場所に集めると、私たちの会話に入ってきて、冷静にそう言う。
「……それは、どういう意味で?」
千尋の言うことだから、どういう意味かも大体は把握がついていたが、一応、訊ねる。
すると、
「勿論、ベットから出してもらえないだろうなって意味だよ。馬鹿だよな」
と、笑いながら、言う。
これが、生まれたときから前世の記憶を持っている巫女の姿……
一番、経験値が高い千尋は、男前で。
「千尋は昔からあんな感じだよ。傷つけないために、離れたときだって……胸ぐら掴まれて、怒られたもん。あ、前世の話ね」
一方で、氷月は慣れきってるらしく。
相馬たちも相当だが、この夫婦も相当な変わり者である。
「ともかく、千歳と兄さんがいるなら、反対はしないから……いっといで、柚香」
「あ、うん……」
展開の変わりように、疲れ始めてきた。
一応、今は危険な状況なはずなのに、どうしてだろう。
全く、危機感が……
「あ、青龍のみなさーん!柚香たちと一緒に、中に入ってくださーい」
千尋ののびのびとした声からして、ない。