☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3

再会

□沙耶side■





『あ、やっぱり、そっちに行ってたか~迷惑かけて、ごめんね?沙耶』


「それは、気にしなくても良いのだけど。連絡なしだって言ってたから……」


葉月が出ていってしまったので、代わりに電話を掛けると、予想していたみたいな対応。


(……慣れてるけど)


正直、子供バカなのは勇兄ちゃんであって、麻衣子ちゃんは自由にさせておくタイプだ。


私と同じ考え方をもった人なので、とても、話が合う。


『そうね。連絡はもらってないわ。置き手紙も、〈探さないでください  葉月〉だし。まぁ、葉月は抜けてるからね。沙耶みたいに、勘が良くないから』


「……どういう意味?」


『居場所は、バッチリと把握してますってこと。GPSって、便利だよねぇ~』


「……相変わらずの過保護ぶりで」


19歳の娘に、GPS。


私なんて、19歳で双子を生んだというのに。


『私はどうでも良いと思ってるわ。だって、もう、大学生なのよ?いつまでも、親の元にいるわけがないじゃない。なのに、勇真ったら……』


「兄ちゃん、女の子大好きだから」


『……それ、言っちゃったら、泣いちゃうわよ。勇真が』


「事実でしょ」


麻衣ちゃんに出逢うまでの知っている女の数でも、軽く、50は越える。



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