☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「おかえり、千鶴」


私を笑顔で迎えてくれるのは、5つ上の兄、御園冬馬の嫁である、御園葵。


「ただいま、葵」


家を巻き込んで、革命を起こした、彼女のことが私は好きだったりする。


人と馴れ合うのは大嫌いだし、人に憧れたことはないが、葵だけは……別の話。


彼女は、名前で呼んでも怒らないし。


年は19と、まだ若いのに、去年、一人息子の彬を産んでいる。


その為、私は叔母さんだ。


「でも、迎えに来てもらえて良かったよ。電車で帰るにも、色々と面倒だし」


「確かに。そういや、兄さんたち、仕事は?」


琥紅と同じく、年が14の少女と、一個下の13の少女の二人は兄を見上げた。


「大丈夫、今日は休みなんだ」


「それに、紅葉(もみじ)と魅琥(みこ)を電車で帰らせるなんて、とんでもない。変質者に襲われたら、大変じゃないか」


そして、この兄二人は言わずもがな、シスコンである。


「もう……時雨兄さんったら、大袈裟よ」


「そうよ。私たちより、千鶴の方が危ないわ」


紅葉の言葉で、こちらを見てくる二人。


「まぁ、確かにな」


「相馬さん似だしな」


ボソボソと、何を言っているのやら。


大体、彼らが、あの人たちの子供に見えない。


私が1番初めにお気に入りと定めたのは、千羽当主の弟であり、父の付き人の千羽甲斐だった。


いや、別に、一目惚れとかではなく、単純に鬼畜ぶりが気に入ったのだ。


紫月は、そんな甲斐の次男であり、紅葉はそんな甲斐の長女だ。


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