俺だけのLovelyメイド
クローゼットを開けて、中から薄い水色のドレスを引っ張り出す。

昨日、今日の結婚式のために美椰さんが用意してくれたもの。



そのドレスに着替えた時、ちょうどドアをノックする音がした。




「蘭さん?美椰です」



「……はい」



「失礼します」



部屋の中へと入って来た美椰さんは、あたしの側まで歩いて来るとニコッと笑った。



「髪、どんな感じにします?」



「……──別に、あたしはこのままでも良いです」



「そんなの、勿体無いですよ。
せっかく綺麗なドレスなんですから」



美椰さんは軽く笑うと、そう言ってあたしの髪に触れた。

別にあたしは、間違ってもなにも目立つことなんてしないのに。
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