あなたの心を❤️で満たして
駐車場の景色を眺め、よくこのロータリーでバスを降りたな…と思い返す。
あの頃は家と病院ばかりを往復して、他は何処へも行かず、本当に狭い社会の中で生きていた。
(それでもお祖母ちゃんが生きてるだけで幸せだった)
そう思うと辛くなってきて、私の幸せを願いながら祖母は亡くなったのに…と考える。
理想とは違う生活を思い出すとやりきれない気持ちが膨らんできて、もう少しすれば、あの屋敷にも絶対に帰らないと気持ちを固めてしまうところだった。
バッグの中から着信音が響いてきたのは、私がそう決意する寸前だった。
ストップをかけられたように思い、少し舌を打つような気持ちになる。
ケータイを取り出すと相手は和田教授で、何処までも黒沢さんの強い味方だな…と思いつつ通話ボタンを押した。
「…はい、留衣です」
黒沢と言いたくなくて名前を名乗った。
教授は医師との話し合いは終わりましたと告げ、今何処にいますか?と聞いてきた。
「病院の正面玄関の前です」
そう言うと、それでは其方に迎えに行こうと言い出し、それは申し訳ないと思うから、私の方が教授の元へ行きます…と伝えた。
あの頃は家と病院ばかりを往復して、他は何処へも行かず、本当に狭い社会の中で生きていた。
(それでもお祖母ちゃんが生きてるだけで幸せだった)
そう思うと辛くなってきて、私の幸せを願いながら祖母は亡くなったのに…と考える。
理想とは違う生活を思い出すとやりきれない気持ちが膨らんできて、もう少しすれば、あの屋敷にも絶対に帰らないと気持ちを固めてしまうところだった。
バッグの中から着信音が響いてきたのは、私がそう決意する寸前だった。
ストップをかけられたように思い、少し舌を打つような気持ちになる。
ケータイを取り出すと相手は和田教授で、何処までも黒沢さんの強い味方だな…と思いつつ通話ボタンを押した。
「…はい、留衣です」
黒沢と言いたくなくて名前を名乗った。
教授は医師との話し合いは終わりましたと告げ、今何処にいますか?と聞いてきた。
「病院の正面玄関の前です」
そう言うと、それでは其方に迎えに行こうと言い出し、それは申し訳ないと思うから、私の方が教授の元へ行きます…と伝えた。