あなたの心を❤️で満たして
唐突に質問をすると教授はぱちっと目を瞬かせた。
ぽかんと私の顔を見て、それから少し頭を傾ける。
「…いや、買わなかったが」
唇が小さく動いてそう言った。
それを聞いた途端、ガクッと気力を失いかけて、シュン…と肩を脱力する。
「……そうですよね」
落ち込んだ声を出した時、懐かしい香りと共にカフェオレが届いた。
何も事情を知らない教授は、とにかく飲みませんか?と勧め、私は頷きながらカップの持ち手を握った。
「熱っ!」
猫舌だったのを忘れていた。
慌ててカップを置くと、教授は驚いて「大丈夫ですか?」と聞いてくる。何とか平気です…と答えてハンカチを取り出そうとしたら、フッと笑う声が聞こえてーーー
「貴女は黒沢君とは正反対だね」
そう言うと自分のカフェラテのカップを持ち、ズズズ…と泡を吸い込む。一口飲むと「熱いですな」と囁き、カップを手放してからこう言った。
「彼は熱い物もキンキンに冷たい物も両方平気で飲んだり食べたり出来る。舌に感覚が無いのかと思うくらいに鈍感で、何かと人の気持ちを汲み難い男だ」
ぽかんと私の顔を見て、それから少し頭を傾ける。
「…いや、買わなかったが」
唇が小さく動いてそう言った。
それを聞いた途端、ガクッと気力を失いかけて、シュン…と肩を脱力する。
「……そうですよね」
落ち込んだ声を出した時、懐かしい香りと共にカフェオレが届いた。
何も事情を知らない教授は、とにかく飲みませんか?と勧め、私は頷きながらカップの持ち手を握った。
「熱っ!」
猫舌だったのを忘れていた。
慌ててカップを置くと、教授は驚いて「大丈夫ですか?」と聞いてくる。何とか平気です…と答えてハンカチを取り出そうとしたら、フッと笑う声が聞こえてーーー
「貴女は黒沢君とは正反対だね」
そう言うと自分のカフェラテのカップを持ち、ズズズ…と泡を吸い込む。一口飲むと「熱いですな」と囁き、カップを手放してからこう言った。
「彼は熱い物もキンキンに冷たい物も両方平気で飲んだり食べたり出来る。舌に感覚が無いのかと思うくらいに鈍感で、何かと人の気持ちを汲み難い男だ」