あなたの心を❤️で満たして
よもや何も言うことが出来ない。
聞いていた以上に高学歴で、自分とはかけ離れ過ぎている。



「次に新婦の留衣様ですが…」


(ひぃぃぃ……!もう言わなくてもいいからぁぁぁ……!)


立ち上がって司会者に訴えたくなった。
離婚した両親に捨てられて、祖父母に育てられた過去なんて誰かに明かされたくもない。


……ぎゅっと膝の上で手を握る。
スタッフに持たされたハンカチを絞るように固く握りしめて目を閉じた。


「元財閥であります花菱家のご息女として誕生されました留衣様は、今は亡き御祖父母様の手で大事に育て上げられました。

高等部から短大部までは女子一貫校に通われ、ご卒業後は家事手伝いをされながら、良妻賢母しての知識を習得されて参りました」


(してません、してません!ただお祖父ちゃんとお祖母ちゃんのお世話をしていただけです!)


本当に家事手伝いしかしてない。
それのどこが良妻賢母の知識なのだ。


「その様なお二人がご入籍することになりました経緯につきましては…」


(えっ!?そこまで言うの!?)


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