あなたの心を❤️で満たして
驚きで顔を上げる。
出席者の視線が痛くて、直ぐに目線を伏せたけれど。


「両家の御祖父様は学生時代のご友人同士であり、ご卒業後も交流が深く、お孫様同士を許嫁として早くから取り決めておられたようでございます。

そのご縁が実り、今日のお披露目式に至りました次第ではございますが……」


司会者の声なんて既に私の耳には入ってない。

花菱家が元財閥だというのは本当だけれど、上手に両親のことに触れずに語られた自分のプロフィールが恥ずかしくて、隣にいる人との格差をもの凄く感じて落ち込んでいた。


出来れば早くこの場から立ち去りたい。
そうでなければ消えたい。


(誰か私を消してぇぇ〜〜!)


無理難題を願いながら司会者の紹介は済み、会食の時間へと移った。

本来の式なら新郎新婦の元へ出席者が来るのが普通だけれど、今日は私達の方から出席者のいるテーブルへと行かなければいけないそうだ。



「よろしいですか?お嫁様」


本当の披露宴ではないけれど、介添スタッフからすると、私はれっきとした花嫁さんらしい。

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