あなたの心を❤️で満たして
二人が私を迎えに来てくれるのを待ってた!憎くても離れても、私の親は二人しかいないから!
……もう逃げないで。このまま……式に出て……」


出席の返信を見た時は驚いた。
厚志さんの心遣いは有難かったけれど、正直、複雑で大丈夫かと不安はかりが渦巻いた。


だけど、同時に嬉しかった。
ママの文字があの手紙と変わってなくて。

几帳面に並ぶ文字を見てワクワクしたの。
今は忘れてしまった母の笑顔をまた見られるんだ…と心の端で思った。


ぎゅっと両手で肘の辺りを握り、母の顔を見上げた。
自分に似ていると思った目元から大粒の涙が止めどなく溢れていた。



「留衣…っ!」


振り向いて私を抱く母の肩は震えていて、私はその背中をぎゅっと抱いた。


覚えてないけど母の香りだ。
やっと、この手に掴めた……。



「ママ……」


いつかはこんな風に父とも和解がしてみたい。
祖父母の財産を食い潰してしまった人だけど、私のたった一人の父親だからーーー



「留衣…」


私の頭に手を触れ、厚志さんが名前を呼ぶ。
振り返って仰ぎ見ると、そろそろ時間…と壁の時計を指差した。


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