第一王子に、転生令嬢のハーブティーを


 ノアは気立ての良い優秀なメイドだが、歳はアリシアより二つ上のため、そろそろ行き遅れと言われる頃だと多少の焦りはあるらしい。

 なのに、アリシアが嫁入りするまでは自分もどこにも嫁がないと決めているのだという。


 あれ以来、ノアに付いてきて欲しいと言いにくく、かといって代わりを探すのも面倒なのでこうして一人で来ることにしたわけだ。



「一応ここに来るまでは護衛を付けていましたよ?」



 帰る時間に迎えにきてくれたら良いと言ってすぐに帰らせたけれど。それでも、護衛すら付けず街に出ていた時に比べれば成長したと思う。


 ミハイルは軽く溜息をついてから、タイムの収穫を再開した。手伝えることはないだろうかと思い尋ねると、摘んだハーブを乾かせるように並べてほしいと言われた。

 最初こそ第一王子の婚約者に仕事を手伝わせるなど……と言っていたが、連続で訪れて三日目には普通に頼んでくれるようになった。



「せっかくなので今日はタイムのハーブティーを淹れましょうか」



 仕事を一段落させたミハイルは、そう言ってハーブティー用にタイムをいくらか新たに摘んだ。


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