あの日の私には戻れない
孤独の月
あの人は変わっていた。
私がいくら他の誰かに抱かれていても
恋人という関係を止めなかった。
情なのか、惰性なのかはわからない。
けれど私はあの人を何度も裏切りながら試した。
別れて、そう優しく呟くのだ。
「別れない。君は僕を裏切るけど、僕には君への情がありるからね」
そう言われるたびに私は安心していた。
傷つけ合わないと愛情を感じられない私たちは
嵐のように日々を過ごすのだろう。
孤独を埋め合わせるように。
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