蘇りのウタ
それはあたしの想像に過ぎないことだった。


ただ、あたしたちが儀式をした翌日に偶然森の中で出合った。


という部分があまりにも出来過ぎていて、ずっと心に引っかかっていたのだ。


その後儀式についてもとても詳しい事がわかり、勝手に憶測しただけだった。


「その可能性もあったかもしれないな……」


創吾が呟くように言った。


「メンバーが次々と死んでいくのを見て、カケルは自分の身を投じることにしたのかもしれない。蘇った者を殺すという選択肢がない俺たちを見て、自分から命を差し出してくれたんだ」


創吾の言葉にあたしは返事ができなかった。


あたしたちが必死になって蘇った者を庇うあまり、すでに4人もの犠牲者が出てしまっている事実を再確認させられた気分だった。
< 229 / 245 >

この作品をシェア

pagetop